彼女がキンプリにハマって悲しかったのでエンタメとマーケティングについて考えた

マーケティング

彼女がキンプリにハマった。

最初「キンプリにハマった!」と聞いた時はソシャゲかアイドルマスターの男版かなんかかと思ったが、全然違いました。『King & Prince』というジャニーズのグループでした。ウィキ先生によるとKing & Princeは2015年結成の6人組アイドルグループで第69回紅白歌合戦にも初出場が決まっていて、2018年Yahoo!検索大賞にも選ばれているらしい。(すごい)

そんなキンプリに彼女がハマまりました。きっかけは双子の妹が買ってきたCDと付属のMV(いつの間にかPVって言わなくなったのね。)を見たことらしい。これまで何かに強くハマることがなかった彼女に趣味のようなものができたことは喜ばしいことなんですが、その事実を聞いた自分に湧き出た感情は「悲しい」でした。

湧き出た「悲しい」という感情を分解すると、三つの要因があるかなぁと思いました。

  • 自分が勧めてきたものにはほぼ興味を持たなかったこと
  • 自分のプレゼン・リサーチ力の低さ
  • ジャニーズという自分の守備範囲外へと行ってしまったこと

なんで「悲しい」と思ったのかと、「悲しい」を作り出した要因を考えるとマーケティングについて学べる点があるなぁと思ったので、まとめていきます。

自分が勧めてきたものにはほぼ興味を持たなかったこと

嫉妬に近い感情なんですけど、漫画・映画とか自分が好きなものを彼女に勧めてきたのに何一つハマらなかったんですよね。でも、妹が勧めたキンプリには 一撃でハマった。(悔しい…!)もちろん一緒に過ごしてきた時間が比にならないほど長いので、妹の方が好みを理解しているとは思うんですけど、やっぱり自分が好きなものを一緒に分かち合いたいじゃないですか。

でも、僕が勧めるものには一切見向きをしなかったんですよね。僕はその状態が悲しかったので、僕もキンプリのMVを一緒に見たり、CDを聴いたり、雑誌を見たりしてみたんですが、まぁハマらない。僕は今まで「なんで同じものを好きになってくれないんだろう」「なんで興味を持とうとしてくれないんだろう」と思ってたんですが、一旦試してみた結果「なんか違うな」ってなったら、無理なんだなと実感しました。

エンタメ領域にとっての「初頭効果」の大事さ

映画・音楽・漫画だけじゃなくて、自分が関わることが多い領域のメディアとかって広義で言えばエンタメみたいなものだと思うんですよね。基本的に自分が伝えたい主張をどの媒体に載せて、どの角度で伝えれば伝わるみたなだけの違いなのかぁと思うんですが、その領域に近しい部分ところにいるのにこの感覚は非常によろしくない。

情報溢れすぎていて、現代人の「有限な時間を消費するかどうかを判断する時間」ってめちゃくちゃ短くなっているじゃないですか。しかも、エンタメって基本的に「なんか違うな」って思われたら、そのあと触れる必要はないじゃないですか。そんな中で、最初の一撃で「なんか違うな」って思わせることってすっごい勿体無いことだなぁと思ったし、自分がその部分に無頓着だったことに悲しみを感じました。

「ファーストビュー」はどんなプロダクトにとっても大事

実際、彼女からキンプリを紹介された時も、「相手のニーズに合っていないプレゼン」をしてきたので、僕が「なんか違うな」とキンプリにハマらなかったんだろうなと思いました。そして、自分が勧めてきた漫画や映画も自分が好きなものを伝えているだけで、相手のニーズに合ったプレゼンにはなっていなかったんだろうなと反省をしました。

何が言いたいかっていうと、
自分のターゲットに対して、最初のアプローチ方法・内容が適切ではないと「初頭効果」が低くなり、その結果「ハロー効果」も生まれないため、結果的にプロダクトにとっての機会損失になるからどんなプロダクトでもファーストビューはとても大事ということですね。消費者は忙しいですからね。

自分のプレゼン・リサーチ力の低さ

上段でも書きましたが、なんで僕が勧めたものにハマらなかったのかを考えると、単に「相手のニーズに合ってないプレゼン」をしたからなんですよね。内容・方法ともに。「僕が自分の好きなものを同様に好きになって欲しい」っていうエゴがその結果を招いたのかと思います。一番近い存在である彼女に対して、ニーズにあったプレゼンができないとそれよりももっと遠くの存在である顧客に対して、良い情報の発信ってできないですよね。

ニーズ・趣向を把握し適切にアプローチをする

「彼女のニーズ・趣向を把握しつつ、自分のフィールドに寄せることができれば最高なのでは?」と思ったので、実際にやってみました。今回は、僕の一番得意領域で程度知識・アセットもある漫画と言うフィールドでアプローチをしてみることにしました。

彼女の現状と僕のアプローチ方法をまとめたものが下記になります。

・読んだことがある漫画は『NARUTO』『ONE PIECE』と少女漫画を何冊か程度
・最近姉に勧められて、『キングダム』を読みはじめてハマっている
・好きなキャラは、『蒙恬』『昌平君』:好きな理由は賢くて強いから
・好きじゃないキャラは『信』:好きじゃない理由は勢いだけだから
・絵柄などは特に気にしない。内容が面白ければOK
・何かを勧められる時に「これ面白いから見て!」のような感じで勧めても、自分が興味のない領域だと拒絶反応を示す
・提案の仕方を変更
→無理に読まなくてもいい。渡しておくからめっちゃ暇になったら読んでみてと言うスタンス
・闇雲におすすめするのではなく、趣向・好みに合わせて提案
→賢くて強いキャラばかり出てくるかつ『NARUTO』や『ONE PIECE』のような王道要素も持ち合わせている『HUNTER×HUNTER』を提案

上記の現状分析・アプローチ方法の変更をしたところ、
なんと…

 

『HUNTER×HUNTER』にハマってくれました泣

 

ようやっと、自分の好きなものを彼女も好きになってくれてとても嬉しかったです。
まぁ大したことをしているわけではないですが、ターゲットとしている層のニーズを分析して、どんな商材・アプローチ方法が正しいのかの意思決定をしていくということは、どんなマーケットについても必要なプロセスかと思いますので、まず身近な相手に対して実践できたことは喜ばしいことであったなぁと思いました。

ジャニーズという自分の守備範囲外へと行ってしまったこと

冒頭でも書いたんですけど、あんまりジャニーズとかに詳しくなくて、完全に守備範囲外だったんですよね。最近はジャニーズ好きな男性も多くなっているという体感あるんですが、自分はそこに漏れている層でした。なので、とても焦った。だって良さが分からないし、これから守備範囲外に突き進んでしまわれたら、自分から離れていってしまうのではないかと思ったので。

でも、これってどうでもいいことだったんですよね。

なぜなら、そもそも僕と彼女の繋がり(つまり顧客との繋がり)が強固である要因って、「趣味が一致するから」とか「同じ趣味を同じように楽しめるから」といった点ではないからですね。
もし、僕と彼女が「趣味で繋がっていてそれを共有することが目的」という関係性だったら、自分の守備範囲外にいってしまうことって、彼女(顧客)との関係性において致命的な事象なんですが、僕の場合ですと関係性を破綻させるクリティカルな事象ではなかったんですね。

つまり、何が言いたいのかというと「追っても無駄なKPIは追わない」「起こっている事象は顧客との関係性の中でクリティカルなものであるのか」の判断ってめちゃくちゃ大事だなって思いました。

まとめ

まぁ、つらつらと色々書いてきましたが、特にこれがめっちゃ伝えたいというわけではなくて、自分が日々経験していることってマーケティング上の課題的なものと重なるところはあるし、こうしてくだらないことについてもちょっと考えてみると学びがあるなぁと思った次第です。

今後もこんな感じでくだらないことも含めて、色々書いてみようかなと思いました。

終わりだよー。

 

 

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